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コラム2014.1.1

【コラム】民間投資活性化等のための税制改正大綱

筆者:八木

政府与党は消費税率引き上げに伴う経済政策と成長力強化のための総合的な対策として、平成25年10月1日に「民間投資活性化等のための税制改正大綱」を承認しました。その中から法人に係るものを中心にご紹介致します。

概要

民間投資、事業再編、ベンチャー投資を促す税制により成長力を底上げし、企業収益が賃金上昇・雇用拡大につながる好循環を実現するための制度の見直し等が行われました。

内容

(1)生産性向上設備投資促進税制の創設

生産等設備を構成する機械装置等で、生産性向上設備等に該当する一定の規模以上のものを取得等した場合には、その取得価額までの特別償却または5%(建物等については3%)の税額控除との選択適用が可能となります。
適用期間は、産業競争力強化法(案)の施行日から平成28年度までとされます。
(注)平成28年度は、特別償却は取得価額の50%(建物等は25%)、税額控除は4%(建物等は2%)となります。

(2)中小企業投資促進税制の拡充・延長

中小企業者(資本金1億円以下の法人)が新品の機械及び装置で1台の取得価額が160万円以上のもの、1つの取得価額が70万円以上のソフトウエアを取得等した場合には、取得価額の30%相当額の特別償却を受けられます。また、特定中小企業者等(資本金の額等が3,000万円以下の法人等)については、特別償却の代わりに、取得価額の7%相当額の税額控除も受けられます。
今回の改正で、これらの中小企業投資促進税制について、平成25年度末までの適用期限が3年延長します。また、税額控除の対象法人は、資本金1億円以下の法人に拡大します。
ほかに、中小企業者等の上乗せ措置として、生産性向上設備等に該当するものについては、税額控除割合が中小企業者等は取得価額の0%→7%、特定中小企業者等は7%→10%となります。

(3)中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例の延長

中小企業者等の少額減価償却資産(取得価額30万円未満の全ての減価償却資産)の取得価額の取得時全額損金算入の特例について、平成25年度末までの適用期限が2年延長されます。

(4)研究開発税制の拡充・延長

試験研究費の増加額に係る税額控除制度について、平成26年度末までの適用期限が3年延長されます。また、試験研究費の増加割合に応じて税額控除割合が高くなる仕組み(最大30%)となります。

(5)事業再編促進の税制措置の創設

産業競争力強化法(仮称)に規定する特定事業再編に係る特定株式等の取得をした法人について、その特定株式等の取得価額の7割を限度として損失準備金を積み立て、損金算入できる制度が創設されます。

(6)企業のベンチャー投資促進税制の創設

一定の投資事業有限責任組合を通して、新事業開拓事業者の株式等を取得した法人について、その株式等の帳簿価額の8割を限度として損失準備金を積み立て、損金算入できる制度が創設されます。

(7)所得拡大促進税制の見直し・拡充

これは、平成25年度から平成27年度までの間に開始する各事業年度の給与等の支給額が5%増加した場合には、増加額の10%の税額控除が可能という制度です。
今回の改正によりその税額控除の適用期限が2年延長します。また、増加額の基準年度の給与額に対する割合の要件「5%以上」を、平成26年度以前は2%、平成27年度は3%、平成28年度以降は5%に見直します。
そのほか、平均給与等支給額の基礎となる国内雇用者に対する給与等を継続雇用者に対する給与等に見直されることになります。

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