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コラム2018.12.1

【コラム】所得税の確定申告

筆者:小寺 敏

はじめに

今年も残すところ1 ヵ月となり、所得税確定申告の時期も近づいてきましたので、今回の申告より変更された制度と近年変更されものでまだ馴染みの薄いと思われる制度をご紹介します。

H30 年分の申告より適用される制度

  • 配偶者控除、配偶者特別控除の見直し
    平成29 年度改正により、配偶者控除及び配偶者特別控除の見直しが行われ、本年より適用されています。
    従来、給与所得者の収入金額に制限はありませんでしたが、本年からは1,220 万円を超える場合の配偶者控除及び配偶者特別控除の適用がなくなりました。
    配偶者特別控除の控除は、対象となる配偶者(給与所得者)の収入金額が従来は103 万円超141 万円以下でしたが、改正により103 万円超201 万円以下となりました。
  • e-TAX 手続き簡略化
    e-TAX による電子申告について従来のマイナンバーカードの取得をし、利用開始届出書を提出の上、ID・パスワードを取得して申告書の提出を行っていましたが、マイナンバーカードとIC カードリーダで申告書を提出できるようになりました。
    また、マイナンバーカードが無くても税務署で職員の対面により本人確認により交付を受けたe-TAX 用のID・パスワードを用いて申告書の作成・送信ができる様になり、スマートフォンで申告まで行えるようになります。

既に適用されている制度

  • 医療費控除の提出書類の簡略化
    平成29 年分の確定申告から医療費控除を受ける場合に、「医療費控除の明細書」を提出することにより、医療費の領収書の提出又は提示は不要となりました。
    経過措置として平成31 年分の確定申告までは、従来通り領収書の提出又は提示によることもできます。
    なお、明細書は国税庁のHP の「確定申告書等作成コーナー」で作成することができます。
  • セルフメディケーション税制
    平成29 年の確定申告より「セルフメディケーション税制」が始まっています。「セルフメディケーション税制」とは、スイッチOTC 医薬品の購入が12,000 円を超えた場合、超えた部分(上限88,000円)に対して、医療費が10 万円を超えない場合においても医療費控除が受けられる制度です。
    この制度は、健康の保持増進及び疾病の予防として「一定の取り組みを行っている者」を対象としていますが、勤務先で実施されている定期健康診断の受診で要件を満たすため大半の方が該当していると思われます。
  • 上場株式等の譲渡所得と配当所得における所得税と住民税の課税方式の選択
    上場株式等の譲渡所得について、申告不要制度、申告分離課税、総合課税(配当所得のみ)のいずれかの課税方式を選択した上で、所得税で選択した方式が住民税でも適用される運用となっていましたが、平成29 年度の税制改正により、平成29 年分の確定申告から所得税の確定申告書とは別に住民税の確定申告書を提出することで、所得税と住民税で異なる課税方式の選択ができる様になりました。

これにより、

  • 配当所得について、年金生活者などで課税所得金額が少額な方は、所得税で総合課税を選択し配当控除を受け、住民税は申告不要制度を選択することにより、従来申告することによって課されていた10%の住民税が、源泉徴収される5%となり納税額を少なくできる可能性があります。
  • 給与所得者以外の国民健康保険・後期高齢者の被保険者については、上場株式等の譲渡所得・配当所得について、所得税は申告分離課税(損益通算等)、住民税は申告不要制度を選択することで、住民税の申告を基に算出される国民健康保険料なども増加せず税金以外のメリットを受けることができる可能性があります。

おわりに

税の世界においてもペーパーレス化、電子化の動きが取り入れられつつあります。納税者にとっては年一回のことですので慣れることは無いかも知れませんが、スマートフォンで完結できる点など手軽になりつつあります。
今回、確定申告によって税の恩恵が受けられる方が拡大しましたので、対象となる方は是非節税を図ってみてはいかがでしょうか。

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